病院経営に求められる継続的な課題

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No.50

オプジーボをめぐる諸問題

11月22日、小野薬品工業はオプジーボの薬価引き下げに対して不服意見は提出しない、との結論に達したとの報道があった。至極当然の話であると筆者は考える。
改めてオプジーボについての論点を整理すると、
①なぜ欧米に比べて異常と思えるほどの高薬価に設定したのか。
②薬価制度と薬価改定のタイミングは現行のままでよいのか。
という2点に集約されると思う。
①の高薬価の設定は100%厚生労働省のミスと断じられる。医療費及び社会保障費の削減、抑制が叫ばれている中、厚生労働省の不勉強、不見識のために(ひょっとしたら、強烈なロビー活動の結果かもしれないが)、英国での価格設定を基準にすれば、これまで総額1000億円近い国民の血税や社会保障費が一企業に不当に還流されたこととなる。
硬直した制度運用のもとに、厚生労働省は2回の引き下げのチャンスを失い、また今回も25%程度の引き下げで、自分たちの立場を守ろうとしたが、医療現場や幅広い世論に押された形で、制度的には異例と思える50%の大幅引き下げとなったのである。
また、小野薬品工業も制度に守られる形で、最初から英国並みの価格設定であれば得られなかったであろう1000億円相当の不当な売り上げを享受し、何ら恥じるところがないという点に、怒りを感じるのは私だけではないはずである。
さらに、小野薬品工業の企業姿勢が許せない点は、英国においてオプジーボは現在メラノーマのみの適用であり、更なる値下げと引き換えに、肺がんでの適用の拡大を目指している。いったい開発研究費を含めたオプジーボの損益分岐点はどの程度なのかとあきれてしまう。(ちなみに、英国では当薬剤はブリストルマイヤーズが販売)
一方で、あまり薬価を抑えると、製薬メーカーの新薬開発意欲をそぐのでよくないという論調もある。ビジネスの現実を知らない学者の空論と断ずる他ない。それが原因で開発意欲を失うような企業は市場から撤退すればよいのである。
このような制度に守られて不当な利益をあげている企業の存続が社会的に容認されるとするならば、日本が世界に誇る皆保険制度の崩壊を加速させることであると、少なくとも医療に従事している方々には理解していただきたい。
医療機関としては、2月1日の薬価引き下げを待つのではなく、今日いまからでも小野薬品工業とディーラーに対し、薬価差益についての交渉をするべきである。
具体的な方法論はまた次回。





 

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