病院経営に求められる継続的な課題

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n-20

No.N-20

地方と医師の需給について思う

先日、京都府医療対策協議会の会議を傍聴しました。
その会議での主な議題は、(1)医師確保計画等についてと(2)専門研修基本領域別シーリング導入について、でした。京都府は医師偏在指標によれば、東京都に次ぐ第2位の医師多数都道府県となっており、傍目には医師が充足した問題のない地域に見えますが、実はさにあらず…です。
その後のシンポジウムでは志摩市民病院院長の江角悠太先生より、自身の学生時代から現在に至る経験にもとづく在宅医療、地域の大切さを語っていただきました。そして彦根市立病院の北川智美副看護部長からは、特定行為認定看護師の重要性、最後に京丹後市立久美浜病院葛原睦民事務長からは、人口減や少子高齢化のなか、病院を核としての生き残りへの挑戦をされている姿などを発表していただきました。
現実は医師不足で困っている自治体病院が京都府北部には多くあります。京都府は丹後、中丹、南丹、京都・乙訓、山城北、山城南という6つの二次医療圏があるのですが、特に丹後圏の医師不足は甚だしい問題と感じています。
今回の協議会でも示された第30回医師需給分科会資料における医師偏在指標(2019年3月)では、丹後圏は医師少数区域となっていますが、厚生労働省提供データ(2019年4月)では医師少数区域からはずされています。「1ヶ月の違いで示されるデータに大きな違いがあるのはおかしい、また分科会資料と厚生労働省データの数値の根拠がわからない」と、協議会メンバーの方々から発言があり、この数値の根拠を示すよう要望がありました。 また、南丹圏は医師多数区域となっていますが、実際は「医師不足で困っている」との声も上っていました。
今年3月、我々の訪問先である、京丹後市立弥栄病院の産婦人科部長が急逝されました。京丹後市内で唯一24時間体制で出産に対応してきたのですが、今や出産に応じることができない状態となってしまいました。常勤医2人体制のうち、1人いなくなると、そういうことになってしまいます。
また、数年前ですが、京丹後市立久美浜病院では常勤の麻酔医が1人いましたが、外科医が院長1人で、充分な手術体制が取れない状態にありました。
医療の世界、特に病院では1人の専門医がいても充分な手術・出産・カテーテル処置などに対応できないのが現状であり、地域による医師偏在、診療科による医師偏在を深く掘り下げて対応しなければ解決できません。
n-12 さらに今回の協議会に出席された先生も言われていましたが、医師の働き方改革の動向も踏まえて医師偏在問題に対応していかなければならず、問題は山積みで、一朝一夕には解決できません。京都府は日本第2位の医師多数都道府県となっているものの(?)、いち早く京都府北部へも医師を派遣すべきと考えますが、現実的にそうできるのか疑問に思っています。

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