病院経営に求められる継続的な課題

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n-25

フォーラムNo.N-31

新型コロナウイルスの影響はまだ続く

新型コロナウイルス感染が世界的な広がりを見せ始めたつい1か月弱前のことですが、ある製薬メーカーの社長が、2020年8月から供給できなくなる薬が多数でてくるだろうと、言われていました。どうも2月時点で中国からの原薬供給がすでにストップしていたようです。 現在マスク、防護服、消毒液そして人工呼吸器の不足が叫ばれていますが、この次にやってくるのが新型コロナウイルス対策とは直接には関係のない医薬品が世界的に不足し、治療ができない、手術ができないという状況がでてくる可能性が非常に高くなってきています。国策として防衛費を増強していますが、国民を守るという意味では、基礎的医薬品をはじめとして、重要な薬剤を自国で賄える体制をいち早く考えるべきではないでしょうか。
国の新型コロナウイルスの対応は後手後手となっており、不信感を覚えずにはいられません。PCR検査一つとっても外注検査会社はいつでもできる用意があると言っていました。また2020年3月末に、検査機器メーカーの方と話をしたのですが、そのメーカーのPCR検査ができる機器が日本全国で約80台入っており、一日一台当たりPCR検査3,000件から4,000件出来ると言っておられました。それだけで一日240,000件以上の検査ができるわけですが、一向にその依頼が入ってきていないみたいだと、言っておられました。どこかで検査が止められているのは間違いないようです。陽性反応が多く出ると医療崩壊が起きると言われていますが、そうならないよう策を考えるのが、厚生労働省であり政府なのですが、今のやり方は単に陽性患者を見えないようにしているようにしか思えてなりません。
2020年4月からの診療報酬改定も、全体で0.46%のマイナス改定となりました。特に医薬品が▲0.99%、材料が▲0.02%と、それらを扱う企業に全ての負の部分を負わせた形となっていますが、実は病院経営にもこのマイナスが重くのしかかってくるのは必至です。また平成30年の公私病院連盟の病院運営実態調査で赤字病院が全体で73.6%、自治体病院では90.3%のも病院が赤字運営であることが発表されました。平成30年の実態調査でこのような結果がでており、令和元年10月の消費税増税そして令和2年4月のマイナス改定で、益々赤字の病院が増加することは目に見えています。新型コロナウイルスによる医療崩壊が叫ばれていますが、もうすでに医療崩壊直前といった感があります。


今回のコロナ騒動で、日本にどのくらい感染病床があるのか調べたのですが、結核病床を除くと約1,800床しかないことが分かりました。そして1,800床のうち自治体病院が約65%、JAを含む準公立病院全体(自治体病院含む)で約80%強を占めていることが分かりました。感染症病床を持つにはいろいろ政策的規制があり、また前室を設けなければならない、陰圧にしなければならない、給水排水の規制等建築コストも非常にかかるなどで、民間ではなかなか持てないのが現状です。言うまでもなく、これはいわゆる不採算医療の一つです。財務省・厚生労働省は経済的合理性ばかりに目を向け、赤字の自治体病院・準公立病院を悪のように扱ってきましたが、今回のコロナ騒動で一番活躍しているのがそのような病院であることが理解されていないのが残念です。マスコミも医療の最後の砦である自治体病院をもっとPRしてもらいたいものです。

 

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