病院経営に求められる継続的な課題

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No.60

執筆者交代に寄せて

永らくご愛読いただきました本フォーラムですが、今回を持ちまして執筆者が交代いたします。執筆者が交代しましても、従来通りに薬価交渉や診療材料の価格交渉についての新鮮な情報は提供し続けますので今後ともよろしくお願いします。
今回は本年春ごろから世間を騒がしている医薬品の共同購入について、わたしどもおよび当研究所の見解を述べて、次にバトンをつなぎたいと思います。

<共同購入>を斬る!(補論)
前回に引続き、共同購入についてお話をします。
実は、「共同購入」は、全国自治体病院協議会においても一時期検討がなされた考え方です。しかし、このフォーラムでも指摘した数々の問題点を検討した結果、「共同購入」ではなく、有志の病院による「共同交渉」(共同の交渉方針を掲げるが、価格決定は個々の施設で)というスタイルで実施されました。そのときに、医薬品価格交渉に臨むための制度や業界構造の知識が病院側にないことが病院側の弱点として認識され、現在の「薬の値引き交渉術」勉強会の開催に至っているのです。
この「薬の値引き交渉術」においては、納入企業(卸)が病院の真の購買窓口として、病院のためにメーカーと交渉するという形をいかに醸成するかが重要であると繰り返し強調してきました。そうした地場の企業との関係を構築してこそ、初めて病院主導での交渉が成り立つからです。自治体病院は、地域においてそうした納入企業に協力を要請できる圧倒的な「ブランド力」があり、それをいかに発揮できるかを考えることこそ重要なのです。自らの強みを放棄し、重要な決定を全て他者に委ねるというのは、非常にもったいない行為(もっと言えば、責任放棄)ではないかと感じます。
さらに、協議会では医薬品ベンチマーク分析の提供を行っています。これは、調査対象施設数も多く、病床規模や地域的なバランスも図られており、わが国では最も信頼性の高い医薬品ベンチマークです。「薬の値引き交渉術」勉強会では、そうした分析データをもとに、購入量や医薬品カテゴリーと価格との統計的関係等の報告もなされています。自治体病院として、多くの施設が協力してそうしたエビデンスを確実に積み上げ、交渉ノウハウの獲得と企業側への理論武装を行なっていくという姿勢こそ重要ではないかと考えます。イラスト
今年度上期の価格交渉もいよいよ本格化します。これまで、このコラムで紹介してきたポイントをもう一度思い起こしていただき、各施設が確実な成果を得ることを期待してやみません。

 

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