No.9
病院経営にとっての薬剤費(8)
薬価の値引き交渉の中でも、他院とのベンチマークをするにあたっての問題もある。まず値引き率の算定方法。病院によっては、値引き率の計算のベースから麻薬や血液製剤を除外している所もあるなど、その定義はまちまちであり、表面上の数値だけでは判断がつきにくいのである。平成23年度における薬価交渉プロジェクトに参加した病院間でも、その点について各施設の見解はまちまちであった。
24年度の薬価交渉においては、厚労省は、早期妥結、カテゴリー別の交渉の推進をあげている。しかしながら、値引き率の低い薬剤を除外品にしてほしいというようなディーラーの言い分を鵜呑みにしてしまうと、結果として病院が納得できる値引きを獲得できないケースが多くなる。厚労省側の言い分としては、総価値引きは合理的ではないという見解であるが、本来、病院の購買活動としては、目標とする値引きを確保することこそが、経営上合理的なのではないだろうか。厚労省が考える「合理的な」データ収集や調査は、病院経営の改善・強化とは違う方向を見ているとしか思えない。 続
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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