K-8
手術室運営のボトルネック(続)
手術運営における<ボトルネック>とは?という視点で、前回は、1日のスタートの症例を取り上げました。読者の方は、日々の業務を振り返る中で、どのような<ボトルネック>が思いつきましたか。
今回は、もう一つ、ボトルネックの事例として「緊急手術」を取り上げてみたいと思います。
手術については、予定か緊急かという分類がなされるのが通常です。予定手術は、その名の通り、事前に(例えば一週間前、あるいは3日前に)手術予定枠に組み込んでスケジュール化し、計画的に実施する手術です。一方、緊急手術は、当日に予定なく要請され、実施される手術(例えば、重篤な救急外傷、虫垂切除の手術など)のことで、「オンコール」とか「飛び込み」などの表現も使われます。
こうした緊急手術は、それまで規定通り流れていた業務フローの中に、突如として割り込み、予定外のスタッフの確保や医療資源を使用が必要となることから、様々なボトルネックの原因となると考えられます。実質的に手術件数は増えるわけですから、その後の業務全体にも大きな影響を与えそうです。
ところが・・・。
一般には、これらの予想に反して、緊急手術は手術室運営にはあまり影響を与えないという意見や研究結果も多いのです。理由は様々で、もともと手術枠は余裕を持って設定しているので、症例追加はむしろ稼働率を平準化させる効果があること、緊急事態への対応が適度な緊張をもたらし、むしろスタッフの集中力が上がり全体に好ましい影響を与える、など。逆の見方をすれば、緊急手術が業務へのプレッシャーにならないのではなく、そうした事態に備えた物理的・精神的準備が各施設においてできているということだと思います。
いよいよ本格的な年の瀬です。今年は暖冬のせいか、忘年会やクリスマスも今一つ盛り上がりを欠き、夜中の駅のタクシー乗り場でも待ちの列が見られないようです。つまりボトルネックが発生していないというわけです。どうぞ良いお年を。
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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