No.17
病院経営にとっての薬剤費(16)
前回は、これからの薬価交渉においては、病院側がメーカーヒアリングをしなければという所で話は終わった。では、どういう形ですればいいのかわからない、という担当者の方が多いと思われる。
ここで、新規医薬品の採用手順を追った考え方が必要になってくる。メーカーサイドとしては、まず医師にアプローチをかける。サンプリング等を経て医師の評価が良好であれば、メーカーの指定するディーラーが最安値で調合を得るという図式が一般的であろう。ここでは、4~5社のディーラーが競争入札をするので一見、公平性と透明性は担保されているように見える。しかし、本当にそうだろうかという疑問を持つことが必要である。
現状では、メーカーとディーラーの力関係においては、圧倒的にメーカーの方が強い。これでは、病院から見れば適正な競争環境が確保されているとはいいがたい。メーカーサイドでは、医師の反応を見ながら、「いける」と考えた時には、どのディーラーに調合を振るか、決めているケースがほとんどである。 この流れに則って新薬の採用を続けている限り、最安値という入札結果によって、実のところ高値で買ってしまうのが実情なのである。
繰り返しになるが、メーカーとディーラーの力関係ではメーカーが上。では、院内でそのメーカーより強い存在が果たしてあるのかということが、メーカーヒアリングの肝になるのである。 続
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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