No.19
病院経営にとっての薬剤費(18)
前回のコラムの中で、今年度交渉のポイントとして、以下の5つを挙げた。
①カテゴリー別の分析
②メーカーにスポットライトを当てるアプローチ
③ジェネリックメーカー間の価格差分析
④ディーラーごとの得意メーカーの特定
⑤院内MR活動への規律の導入
この中でも②と③が重要になってくる。
メーカーは、ディーラーに対して建値制であり、価格交渉はディーラーの範疇であって、メーカーは関知できないという主張をする。
例え、制度としてはそうであっても、価格形成の実態は必ずしもそうではないのである。
病院で交渉を担当している職員の方々なら経験があるのではないだろうか。ディーラーを変えようと他のディーラーに見積もりを依頼しても、価格は高止まりのままのケース。
この時にディーラーが価格で下をくぐると、メーカーの「特担」はあわててディーラーに走ってきてクレームをつける。残念ながらディーラー側にそれを跳ね返す力はない。実はこういうケースは材料の分野でもよくみられるのである。
それへの対抗策は何か?ずばり、メーカーヒアリングである。メーカーは病院の経営管理サイドとの接点をほとんどディーラーまかせにしている。メーカーヒアリングを実施することによってメーカー側に病院の考え方や、決意のほどを伝えることが大事なのである。
具体的な価格交渉はディーラーとするという従来のスタンスのままであっても、メーカーのMRと医師との接点のみであった状況を根本的に転換する必要がある。経営サイドが、各メーカーを個々の薬剤のみでなく、企業姿勢といったレベルまで評価するという点をメーカーに伝えることが大事なのである。
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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