病院経営に求められる継続的な課題

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n-12

No.N-12

地震、豪雨、西進する台風、酷暑、日大アメフト部、日本ボクシング連盟、財務省、安倍1強政治、東京一極化、少子高齢化、医師の偏在、診療報酬マイナス改定・・・・・、何かと問題の多い日本です。

残暑お見舞い申し上げます。

今年度薬価改定の影響を受け、ジェネリック医薬品を中心に事業活動を行ってきた富士フイルムファーマが会社解散という決断をいたしました。また、第一三共は長期収載品41製品をアルフレッサファーマに譲渡することになりました。ジェネリック製造メーカーおよび長期収載品を多く扱っているメーカーは苦境に立たされており、今後もこのようなケースが増えてくると思われます。
このような医薬品メーカーに留まらず、医薬品ディーラー(医薬品卸企業)も今回の影響を受けて新たな大規模業界再編も考えうる時代になり、医薬品関連企業の日本における環境は悪化の一途をたどっていると言っても過言ではないと思われます。そして、今回の改定は、病院にとっても大きな問題であることを、経営陣はしっかりと理解していただく必要があります。
とある県立病院(約700床)で、今年度診療報酬改定に伴う影響度を医療事務委託企業に分析してもらいました。結果からいうと本体部分で約3%の収入UP、年間約1億5,000万円の増収が見込まれる結果となり、病院経営陣は安堵されていましたが、実は落とし穴があることを気付いておられませんでした。医薬品の薬価そして診療材料の償還価ダウンによる影響がどのくらいあるのかはこの分析には入っていなかったのです。当研究所で大まかなシミュレーションをしたところ、医薬品収益での影響が約1億9,000万円、材料での影響が約2,400万円、トータルでマイナス2億1,400万円の影響となり、本体増収分と合わせても全体でマイナス6,400万円となる結果でした。この6,400万円は、いわゆる「真水」なので、経営に与える影響度は大きいと言えます。
n-12このような経営環境の悪化を背景に、昨年度黒字運営をされていた病院も、今年度は赤字に転落する可能性が非常に高くなっていると考えられます。医薬品・材料の価格交渉は当然として、その使用効率化に向けての取り組みも早く行って下さい。また医療機器保守の見直し、外注検査の見直しもいち早く行っていただきたいと思っています。(一方、人件費、材料費高騰のため、給食の委託費及び施設管理委託費の価格交渉は困難かもしれません。)

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