病院経営に求められる継続的な課題

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K-15

原価管理体制について(そのまた続き)

残暑お見舞い申し上げます。今年の夏はどちらの地域にお邪魔しても「暑い!」の一言です。どうぞ、読者の皆様も体調管理にご留意ください。

さて、シリーズでお話ししている手術の原価管理が今回もテーマです。手術原価管理は、今いろいろな施設で取り組みが始まっています。そうした施設での内容が充実していくと同時に、先行事例に続けと裾野が急速に広がっていくという、まさに揺籃期にあります。そうした時期にあって、原価管理の仕方は、実は施設ごとにまちまちで、考え方やデータ収集法に差があります。

いくつか、典型的なパターンを上げてみます。

(1)キット導入や手術材料のセット組の派生として原価管理のデータの蓄積を行って
   いる。キットメーカーが、手法や人材を持ち込んで、体制を構築し、レポーティ
   ングするというパターン。手術が儲かっているかどうかで、キット価格の採算性
   を訴えることにも狙いがある。
(2)SPDの拡充として、最も高額な材料を使う手術室での材料の動きを正確に抑えよ
   うという流れ。当然、作業の主体となるのは病院が採用したSPD業者であるが、
   手術室の運用に精通した人材の提供が必須となり、SPDを導入しているからとい
   って、どの施設でも可能なわけではない。
(3)物流というよりも、情報システムからのアプローチにより、術場での材料の動き
   を掌握しようというもの。現場でのスタッフによる細かな実施入力等、ポイント
   ごとに相当の労力をかけなければ精度の高いデータは得られない。また、情報系
   が先行するので、実際のモノの動きとの整合性のチェックが欠かせない。

 

さらに、診療材料はどこまで含めるか(特に償還の対象ではない衛生材料などをどのレベルまで把握するか)、具体的な材料のカウント方法(使ったものを全て拾い集める「ゴミ箱」方式か、あるいは予め定められたセットからの残差チェックで使用したものを把握する方式か)なども各施設マチマチです。

そうなれば当然、個々の原価管理から導き出された結果というのも、施設ごとにその定義や意味合いが異なる固有性の高いものとなります。



 

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