K-6
プロセスの中の「ボトルネック」
手術を<プロセス>としてみる。これは一体どういうことでしょうか。
手術の流れを追いかければ、代表的には、患者入室から、執刀開始、執刀終了、患者退出ということになりますが、その前後にも術前準備や麻酔管理、終了後も予後の管理などがあり、手術に関わる様々なイベントが連鎖的に時には併行して流れていきます。これらのプロセスが、予定通りよどみなく流れる。これが、手術室の運営上望ましいことです。
ここで、「ボトルネック」という概念が登場してきます。
ボトルネックとは、そのまま文字通りの意味で言えば、瓶の首。ビンの中にどれだけ水が入っていても、そしてその器自体の容量がどれだけあっても、水を注ぐ際のスピードは,細い首の部分で決まってしまうというたとえです。
例えば、高速道路を思い起こしてください。たとえ、5車線あるような道路でも、料金所の所で1車線しかなければ、そこで必ず渋滞が発生するでしょう。ここで言えば、この料金所がボトルネックとなります。結局、部分部分では大きなキャパがあるようなものでも、そのボトルネックの存在で全体の性能が規定されてしまう、それこそがボトルネックの発想です。
実は前回のコラムで紹介した、小説「ゴール」でも、このボトルネックに焦点が当てられています。手術プロセスでも、どこかにボトルネックがあれば、その流れは滞ってしまいます。それは単純にプロセスの問題だけではなく、業務の質にも影響してくることがあります。そして、読者の方は既にお気付きのように、このボトルネックにどのように対処するかということが、運営上の最も重要な視点の一つとなるのです。
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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