病院経営に求められる継続的な課題

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後発医薬品をめぐる駆け引き

平成26年度の年度末妥結状況が、ようやく確認できるようになりました。全国自治体病院協議会の薬剤ベンチマーク速報を見ても、各病院での交渉努力により、数字的な前進が見られたように感じます。

大きな方向性としては、後発品の採用率が大きく伸び、厚生労働省の当初目標である60%近くになったということです。これに味を占めて厚生労働省のみならず財務省も、後発医薬品採用率を2~3年以内に80%という目標にするという発言がでています。36

後発医薬品の採用率が約60%になったことで、薬剤費は対前年度比で約3400億円の削減となったというデータがあります。厚生労働省側としては後発医薬品の採用率を80%に引き上げることにより、1兆円以上の医療費の削減ができると新聞紙上等で発信しています。

60%で3000億円程度だったのが、80%で1兆円超とはこれいかに?ここに数量ベースのマジックがあります。確かに平成26年度は飛躍的に後発医薬品の採用率が増えましたが、多くは単価が安く、錠数やミリ数の多いものを優先的に切り替えて、数量ベースの目標を達成したというのが実情です。

つまり、単価の高い先発薬剤はまだ残っていて、そこに切り込もうというのが、厚生労働省の戦術です。

医療は基本、診療報酬や薬価という公定価格によって成り立っている以上、病院経営においては、政府の方針を良く理解した上で、対応策を立てていくことが重要です。

次回は後発品市場の実態について述べたいと思います。

続く

 

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