病院経営に求められる継続的な課題

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No.N-04

薬価交渉の通信簿

師走となり慌ただしい日々を送られていると思います。そして、この時期になれば、病院関係者は来年度の診療報酬改定が非常に気になるところでしょう。実質的なマイナス改定はまず免れなく実施され、病院運営はますます厳しい状況に追い込まれると推測されます。しかしその前にやらなければならないことがあります。とりわけ、年度末での薬の価格交渉は、今年度を乗り越えるうえで非常に重要なポイントです。

当研究所では、経営支援をお手伝いしている病院に、医薬品を納入している各卸企業の成績表を作成しております。基準は総価での値引き率ではなく、当研究所が把握している中央値(平均値ではありません)に対する達成率で成績を出しております。実は昨年までは最安値に対する達成率を成績表にしていました。しかし、最安値については、企業が身を削った異常な数値が出ているケースを多く見受けられたので、ベンチマークとして用いることが難しいと判断しました。また、標本データも正規性がないことから、「平均値」ではなく「中央値」を採用しています。
値引率達成度表

(表)値引率達成度表

結果、なかなか興味深い発見もありました。総価での値引き率は非常に良いのにもかかわらず、中央値達成率では一番成績が悪くなる企業とか、購入量が少なく一見頑張っていないように見える企業が、実は非常に頑張っており非常に良い成績が出ているとか。単に総価での値引き率で企業を評価するのは間違っていることに気付かされると思います。 上の表の病院では、中央値達成率が100%に到達していない企業との交渉が下期の課題となります。中央値ですから、企業に無理難題を言っているとは思えません。課題の見つけ方、交渉のポイントをはっきりさせたうえでの交渉に臨んでいただきたいと思います。

 

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