病院経営に求められる継続的な課題

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No.41

No.41

1年の締めくくりに

暦も12月、早いものでもう1年が終わろうとしています。医療界も今年はいろいろな話題がありましたが、特に気になった点について少しお話したいと思います。
毎年、全国自治体病院協議会で「薬の値引き交渉術」というテーマでお話させていただいておりますが、平成27年度上期の妥結速報を見る限り、各病院の努力が報われている結果が出ているのではないかと感じられます。ただし、ここで安心するのではなく、平成28年4月から始まる3年連続での薬価改定に対する備えが必要になってきます。
薬の値引き率は、全国自治体病院協議会のベンチマークを見てもわかるように、病院間の価格差は大きくても数%ポイントほどで、例えば5%ポイントもの差がある(他病院よりも高く買っている)としたら大問題になります。一方、最近気になるのは医薬品以外の問題です。
例えば、外注検査となると、病院ごとの価格差(検査項目の実施料から見た料率)が数十%ポイントに及ぶことがあります。これを年間の委託金額全体に換算すると、数百万円ではきかず、数千万円の無駄な出費ということになります。なぜこのような状況が放置されるのかというと、その一つに検査数値の違いがあります。つまり、外注検査の大手3社の中でも検査の基準数値が若干変わるからです。外注会社はそれを理由に「外注先の変更は現場の混乱を招く」と主張します。
こうした状況にあって、医師や検査部も診断や診療上の問題の可能性から、外注先の変更に難色を示すケースが多いのです。でも、考えてみてください。もし、患者が一部の検査の基準数値が変わると診断や診療に不具合が発生するような医療レベルの施設であるということを知ったら、患者はその施設で引き続き診療や手術を受けたいと思うでしょうか。
年末なのに辛口コメントになってしまいましたが、このコラムを読んでいただいている皆様、良いお年を。
                                      続

 

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