K-5
手術室を「プロセス」から考える
手術部門を<マネジメント>という観点からみたときのポイントとして、前回のコラムでは、チームすなわち組織として何が課題であるか、を紹介しました。これに加えて、もう一つの重要な切り口があります。それは、手術とは「プロセス」であるということです。
プロセスというのは、医療にかかわらず、産業界においても今日、最も重要視される業務改善の着眼点であり、ご存知のように様々なメソドロジー(手法、方法論)が誕生した領域です。実は、手術室管理においても、全く同様な観点から、業務改善が検討されることが少なくないのです。
では、それは具体的にどういうものでしょうか。
プロセスの評価や改善といったときに、私が真っ先に思い浮かべるのは、エリヤフ・ゴールドラッドが著した小説『ゴール』です(日本語訳はダイヤモンド社から2001年に発刊)。個人的には、25年も昔に読んだ本ですが、そのメッセージ性は今日も全く色褪せていません。
経営管理のテキストのなかでも、バイブルとなっている有名な本ですので、皆さんも一度は手に取られたことがあるかも知れません。経営が窮地に追い込まれたある工場を舞台に、その工場長であるアレックスが再建を目指して悪戦苦闘します。そのときに我が子とのピクニックなど、生活の何気ない場面から、プロセスの見直しや管理会計のあり方について、多くの気づきやヒントを得ていくというものです。そして、ここで、紹介されている数々の論点が、実は手術室マネジメントにもそのまま結びつくものなのです。
具体的な内容はまた次回から詳しく解説していきたいと思いますが、この『ゴール』、まだ読んでいないという方はぜひ。そして、志ある方は原書で読んでください。平易な英語で書かれているので語学の勉強にもなります。
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