病院経営に求められる継続的な課題

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閑話休題

東京オリンピック開催に向け、新たに新国立競技場の設計案のコンペが開かれるそうです。私が感じるのは、この国の無責任体質はここまできたかという点です。私は、建築の専門家ではないので、なんとなく(値段が)高そうな建物だなあという感じでしたが、案の定高い買い物になってしまうようです(新案が決定されるにせよ…)。日ごろ病院運営の健全化のために購買適正化を叫んでいる立場の人間としては、「何をしているのか」という気持ちです。専門家として委員に名を連ねていた某有名建築家の言たるや、人間として恥ずべきではないかと思います。
しかし、残念なことに病院の世界においても、似たような事例はたくさんあります。全国各地の病院を廻っていると、外観は格好いいが、いかにも使いにくそうだなとか、メンテナンスは大変だろうなと感じる建物が多いことにびっくりします。
そこで院長や事務長に使い勝手を尋ねると、「良好」という返事はまずありません。患者導線や職員導線への配慮はなく、はなはだ使いにくいという評価です。
ところが、こういう病院に限って建築なんとか賞をもらっているのです。ということは建築の世界では概観が奇抜であることが、その建物を恒久的に使う人々の利便性よりも上位にあるということなのかと思えます。
病院は30年、40年と使われるものです。使い勝手が悪いとなると、患者や職員は30年、40年と我慢を強いられるのです。そのような建物に賞を与える建築会の品性の低さは見逃すわけにはいきません。
今回の新競技場の案件でも、前回選ばれた設計士と日本を代表する設計事務所とがタッグを組むという報道がありましたが、そうした設計事務所のなかにも、不便な病院を設計し、また賞を数多くもらっている会社があることを、ここに記します。
これから病院の建替を検討している施設も多いと思います。新病院は一体何を目的として建てるのか、ということを中心に据えて、設計事務所を選んでいただきたいものです。

                                続く

 

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