病院経営に求められる継続的な課題

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手術室におけるリーダーシップ論

前回、手術室におけるリーダーシップについてお話ししました。手術室マネジメントの必要性が叫ばれる今日、手術におけるチーム運営とはどうあるべきか、リーダーとは誰であり何をすべきかが、改めて問われるようになっています。そうした役割を担うのは、執刀医であったり、麻酔科医であったり、看護師であったりと様々で、国による文化の背景や施設ごとの沿革や体制の違いにも影響を受けているということをお話ししました。
 ここで、一つ紹介したいエピソードがあります。これは、さる3月に行われたHCSストラテジー・カンフェランスで、講師を勤めたブルース・アボリオ氏(ワシントン大学経営大学院教授)が取り上げた米国の実例です。
 米国でも、産業界の様々な運営ノウハウや業務改善の考え方を医療施設が活用するということは盛んですが、そのなかで航空業界の経験を手術室運営に持ち込むという取組があります。
 パイロットは、単にコックピットに座って操縦するだけでなく、航空機に搭乗する前から、様々な業務をこなします。例えば、出発前には、機長は副操縦士や一緒に乗務するキャビンアテンダント、さらには運行管理者や技術士などとミーティングを行い、その日の気象や空港の状態、航空機の整備状況などについて確認を行います。
 アボリオ氏によれば、そうした航空業界のミーティングを倣い、ある病院では、手術に関わるメンバーが手術開始前に円陣の形で集合し、それぞれが何者であって、どのような役割を担うのか、想定される様々なケースでどのような対応を行うかを一人一人がブリーフィングを行い、皆で確認するようになっているということです。
 これを聞き、手術室におけるマネジメントの重要性を反映して、組織の仕組みも変化しつつあるのだという印象をもちました。

 

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