病院経営に求められる継続的な課題

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フォーラムK-18

続く、新型コロナウイルスとの闘い

新年度を迎え、はや1ヵ月。ゴールデンウィークはまたも緊急事態宣言下となりました。1年前の第一波での厳戒期を思い出しますが、あの時、一年後の休暇も新型コロナウイルス対応から抜け出せないでいると、どれだけの人が想像できたでしょうか?
オリンピック開催をめぐる議論には、結論ありきで現実を説明できない政治のチグハグ。ワクチン接種での手続きの混乱では、かつてのPCR検査の「目詰まり」議論。あらゆることが、失敗の繰返しです。この1年余、多くのことを学んだはずが、生かされていないのか。それを、日本的とか、日本人特有の‥と言って一括りにしてしまうのも問題です。
この1ヵ月、われわれは、これからの病院運営に対して襲いかかる脅威について訴えてきました。医療物資の枯渇や患者数減による経営悪化など、すでに病院には多くの危機に晒されています。これから、さらに、この新型コロナウイルスが社会経済にもたらした影響が派生し、副次的なリスクが次々と病院経営に襲いかかります。われわれは、これらを「10の脅威」として資料にまとめました。
そのような中、最近のメディアの論調にも問題を感じています。新型コロナ対策は医療が最の砦と言いながら、ある全国紙は、「病院の効率化が進んでいれば新型コロナ対応はできた」とか、「なんちゃって急性期の病院が増殖」とか。この国難に淡々と新型コロナ対応をしている施設にそして医療従事者に、どうして思いが至らないのか、疑問の言葉ばかりです。なんちゃってなどと言う前に、そもそも、医療政策の中で安易な急性期云々の切り分け議論が感染症対策を全く視野に入れていなかったということなのに、なぜその事実を忘れてしまうのでしょうか。
こんな思いもよらぬ議論が今後も続くのであれば、これもまた病院運営の新たな「脅威」です。以前このフォーラムでも、「新型コロナウイルスとの闘い」の第2弾を編集中ということをお伝えしました。やはり、新型コロナ対応を率先した病院の実情を記録として残す作業は続けなければいけないと切に感じます。
地域医療を守るための永い闘いは今年も続きます。

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当研究所が危惧する「10の脅威」
●オペ件数、救急受入件数制約による減収と変動費の内容変化
●非常事態モード下の医療資源全般の安定在庫確保
●新型コロナ非常時を考慮しない制度変化(薬価中間改定、等)
●医療従事者確保のための給与費・手当の増加、モチベーション維持のコスト
●新型コロナ関連医療物資の調達増と価格高騰
●サプライチェーン変化など製造側コスト増のユーザーへの転嫁
●メーカー・卸双方の混乱による交渉環境の悪化
●機器整備と建物改修のランニングコスト・財務コスト増
●委託化業務維持のコスト増(新型コロナによる業務負荷、仕様内容の再設計)
●資金繰りの多様化、莫大な公費投入の結果としての説明責任の圧力

 

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