No.12
病院経営にとっての薬剤費(11)
ディーラーの最終利益率が1%を切っている現状において、病院が獲得できる薬価差益の原資はどこにあるのであろうか。薬剤の流通において利益をあげているのは、メーカーと全国 チェーンの調剤保険薬局である。特に一部の保険薬局の利益計上の規模には驚かされる。本来患者の生命や安全に最大の責任をおっている病院より、保険薬局のほうに利益(厚労省の失敗)が誘導されて いる構図は間違いである。最近厚労省もこの失敗に気づいたようであるが、急にかじを切るのは難しい現状である。病院の中には患者負担増につながる院外処方率を下げる方向で検討し始めた病院もある。
しかし、病院が交渉の場において対面する相手はディーラーである。 建値制になったとはいえ、病院への納入薬価の決定にはまだまだメーカーが大きな力を持っている。個々の価格交渉はディーラーを相手とするしかないが、病院がメーカーに対し薬効だけではなく、価格の部分にもスポットをあて ているということを知らしめる必要がある。そのための仕掛けや交渉なくして、ディーラーだけを対象とすると、メーカーの一人勝ちを容認することになる。
また保険薬局に対する仕切りについては、ディーラー各社にもえりを正していただきたいと考える。
次回はメーカーに対する具体的な方法論を述べてみたい。
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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