K-2
手術室運営の風景(その1)
"手術室は特別な場!?”
手術室のことを英語では、“Operating Room”に並んで“Operating Theater”という言葉で表現されることがあります。
“theater”とは、言うまでもなく通常は「劇場」という意味で使われる言葉であり、ときには「戦場」を意味する単語です。手術室が急性期医療の中心にあり、緊迫した空気のなかで数々のドラマを生み出すさまは、まさにこのtheaterという言葉がピッタリときます。多職種のプロフェッショナルがチームとなり時間との争いのなかでベストを尽くす状況は「戦場」そのものとも言えるかもしれません。“theater”は、図らずも、医療における手術室の今日的な位置づけを直感的に示す言葉といえるでしょう。
病院経営の視点から言えば、この手術室は大きな医業収益を生み出す場でもあります。わが国では、DPC病院においては、手術に関連してもたらされる収益は病院全体の収益の6割とも7割とも言われますが、手術室がそうしたプロフィットセンターであるという認識は欧米でも古くからあります。そして、その収益の大きさ故に、効率化やコスト削減は後回しになってきたという見方もあるようです。
しかしながら、80年代以降そうした認識も変わってきます。
高齢化の進展や医療の技術進歩により手術への需要が高まり、限られた医療資源(とくに医療スタッフ)という制約のなかで適切に対応するために、効率運営や組織編成について本格的な見直しが迫られる状況が生まれています。
加えて、手術室が病院内での最大の収益の源泉であると同時に、最大の<支出>を伴う場であるということに大きな関心が寄せられるようになっています。
続く
フォーラムNo.76 再度の緊急事態宣言、そして延長の顛末に思う
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