病院経営に求められる継続的な課題

新着情報

n-09

No.N-10

2018年度上期の薬価交渉を見据えて

◎医薬品メーカーとのヒアリング
今回の薬価改定の影響は、病院のみならず医薬品メーカー、医薬品ディーラーにも大きな打撃となっています。そこで、例年に比べ時期尚早とは分かっていますが、5月より医薬品メーカーのヒアリングを実施することにしました。

ヒアリングテーマは、大きく
① 今回改定による各々メーカーの影響度とその対策・方針があるのか
② 流通改善ガイドラインにある、一次売差マイナスの解消にむけての対応がどうなっているのか
③ 流通改善ガイドラインにある、返品条件を流通当事者間で事前に取り決めるようにとあるがそれが進んでいるのか
といった点です。

これまで実施したヒアリングの結果から申しますと、①の影響度は各々メーカーで計算されていますが、その対応策としてメーカーが実施しているのは自社の人員削減という非常手段が専らでした。それ以外は、上記の②や③の論点とも各社では具体的な検討が進んでいないというのが現状でした。薬価改定の影響度では、やはり小野薬品が13%台と大きく、またジェネリックメーカーも12%以上の影響、その他メーカーは一部メーカーを除いて概ね5%台から7%台の影響があるとのことでした。今回の影響の度合いからして、今後のディーラーとの価格交渉が難航することは必至です。

◎今後の医薬品価格交渉
img今後の予定ですが、6月、7月は引き続きメーカーヒアリングを行い、8月、9月でディーラーと価格交渉を行い、妥結にもっていこうと計画しております。今年度の交渉のポイントは、まだまだ雲を掴むようなところが多いのですが、一番おさえておかなければならないところは、値引き率ではなく薬価差益額だと考えております。ギリアドのハーボニー、小野薬品のオプジーボが上市された時、それらを採用された病院の医薬品購入費用は上昇し、薬全体の値引き率も悪化したはずです。しかし薬価差益(利益)額も上昇し、経営的には貢献されたはずです。今年度は薬価改定の年であり、どうしても値引き率は後退します。しかし、前年度と同じぐらいの薬価差益額=利益があがれば、前年度より薬で経営を圧迫することはありません。経営にとっては医薬品購入費を抑えるよりも、利益を確保することの方が重要なのです。それをよく理解し、昨年度の薬価差益額がどのくらいあったのか調べたうえで今年度の交渉にあたってください。

 

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