番外編
病院の移転、建て替えについて(1)
最近、病院の移転や建て替えに伴う基本構想や機器整備について、病院の不満をよく耳にします。
病院にとっては、そうした新病院建築の機会はその歴史の中でもそうそうあるものではありません。そこで、プロジェクト推進のためにコンサルティング会社に頼るという図式になります。
現状国内において、基本構想の部分から機器コンサルティングの分野まで、公募に手をあげてくる企業は4~5社しかありません。しかし残念なことに時には、個々の作業が下請け業者に丸投げされ、結果としてコンサルタントとしての独立性や守秘性を疑わなければならないようなケースもあるようです。元々この一連の作業を自社でまかなうための人材が各社とも充分に確保できていないのが現状です。極端な場合には、同じ資本傘下の販売会社に機器、材料の調達をまかせているケースも見られます。
公的病院(特に自治体立病院)においては、このような状況に該当していないかどうかのチェックと厳しい目での継続的なモニタリングが必要です。
公募をして、一定の基準で選定すると公平性や透明性が担保されていると考えるのは、間違いであることを認識する必要があると思います。
また、このようなコンサルティング会社からの要求に対し、地元ディーラーやメーカーが毅然とした態度を取れてない点も留意すべきです。(例:機器購入に際してのディーラーやメーカーへのキャッシュバックの要求等)
直近の事例ですと、静岡県西部の公的病院でも同様のケースがあったように聞いています。病院へのコンサルフィーの請求以外に、病院と取引きする地元ディーラーやメーカーからも、バックマージンを取るという姿勢は正す必要があるのではないかと考えます。
次回はなぜこのような図式が成立するのかを考察し、またこのような不当な利益を得る企業への対策も併せて考えたいと思います。 続
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